ゼロから始まる保育起業。

ADHDつぽい僕が医療業界から保育へと転職して起業を目指すブログです。保育・医療・何でもない事を思いつきで書いていこうと思います。

幼児教育無償化による社会的メリットとデメリット

 

 


○幼児教育・保育の無償化

 

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令和1年10月から幼児教育・保育の無償化を全面的に実施することが決定しました。日本では昔から学校や中学校を義務教育として無償化されており、少し前には高校の授業料まで無小中高と9年にわたる教育費が無償となった為、家庭への負担は大幅に軽減されたと思われます。しかしながら、妊娠、出産を初めて経験するような若い世代では収入も十分でない場合が多く、幼児期の養育費が家計を切迫するものとなっています。子供が欲しくても経済的な理由から諦めている家庭も少なくないと思います。そこで少子化対策の重要施策として国が打ち出したのが幼児教育・保育無償化です。そんな幼児教育無償化ですが、いまいちわからない方も多くおられます。全員が無償になるの?対象年齢は?条件は?今回はそういった事も踏まえてどんなメリット・デメリットがあるのかを解説します。

 

○現在の保育料は?


現在は所得によって保育料が決定する仕組みになっており一定の収入以上になると保育料が高くなる場があります。保育料免除制度として、2人目は半額、3人目以降は無償などの措置がとられていますが、入園料などは免除されていません。


○幼児教育・保育無償化の対象

 

当初0歳児からの幼児教育・保育料の無償化を検討されてましたが、賄うための財源が不足している状況もあり、0~2歳児については年収約250万円未満の住民税非課税世帯に限って無償化となります。就学前の教育が重要な時期となる3~5歳児については、所得に関係なく認可保育所、幼稚園、認定子供園の利用について無償とします。認可外施設についても今後検討されますが、現時点では無償ではなく、上限額以内の補助が出ます。

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それでは本題に入っていきましょう。


○メリット

 

1.子育てで金銭面の不安が減少する。


幼児教育無償化の最大のメリットは、子育て中の若い世代の経済的負担の軽減です。子供の教育、養育はとてもお金がかかるため、生活費などを除いて教育にかけるお金が潤沢な家庭はほとんどありません。無償化によって月々支払う保育料がなくなれば、その分を将来の学費として貯蓄することが可能になります。少しでも貯蓄に回したいという堅実な家庭は多く、子育ての金銭面での不安が解消されるのは大きなメリットであると言えるでしょう。

 

2.少子化を解消する切り札となる。

 

少子化問題は年々深刻になっており、新社会人となった若い世代が複数の高齢者の生活を支えなければならない時代に入っています。国は女性が働きやすい社会、子育てしながらも仕事を続けられる社会を目指してさまざまな法整備を行っていますが、少子化の改善には明るい兆しが見られていません。先ほど述べた通り、子供には多額の教育費が必要となるため、欲しいと思っていても家計のことを考えると断念せざるを得ない家庭も少なくありません。幼児教育無償化が実現されると保育料がなくなるため、子供の出生率が上がって少子化が解消させる切り札になるでしょう。

 

3.希望の幼稚園・保育園に行きやすい。

 

幼稚園は文科省、保育園は厚労省がそれぞれ管轄しており、幼稚園学習指導要領や保育所保育指針などで教育や保育の基本的内容が示されています。日々の教育や保育がそれらに従って行われますが、それは最低限のことを決めたものであり、園によってさまざまな教育・保育方針に特色があります。無償化が実現すれば、費用の違いを考えずにさまざまな特色によって希望の園を選択することができるようになります。子供に平等な教育を受けさせることができる日本国憲法では「等しく教育を受ける権利」を保証しています。また、学習指導要領は国内のどんな地域にいても一定水準以上の同じ教育を受けることができるように定められているものです。幼児教育無償化は、義務教育と同じく無償化されることによって子供に平等な教育を受けさせることができるものと言えるでしょう。

 

 

幼児教育無償化のデメリット

 

1.財源が不足する。


高齢化社会が本格的になった現代では、財源不足が早くから指摘されており、年金が支払われるのかさえ不透明です。そんななかで打ち出された幼児教育無償化によって大きく膨らむ財源には2019年度から変更される消費税を当てにしています。それでも全国規模で幼児教育無償化を現実化することは難しく、現在の制度に費やしている財源をカットするか、新たに税収を図る政策を打ち出すかが必要となり、子育てを卒業した多くの世代からの反発も必至です。

 

2.保育士不足が加速する。

 


幼児教育無償化が実現するとこれまで経済的な事情で幼稚園や保育園に通えなかった子供たちも施設を利用するようになります。子供をもつ家庭にとっては良いことですが、クラスの子供の数が増えると保育士の負担は大きくなります。保育士が過酷な労働内容に待遇が見合っていないことが指摘されており、現状のままでは保育士不足から募集をかけても急激に増えるとは考えられません。保育士不足は子供の保育の質の低下だけでなく命を見守ることすらおろそかになってしまうことが考えられます。

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幼児教育無償化はその一部が2019年4月から前倒しして実施されることになっているため、保育園や幼稚園、保育士の不足や財源確保の問題などさまざまな課題があるため、今後の動向についてしっかりと注視していく必要があります。